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【S資格者発表会レポート#2】境界を超えるデザイン~あらゆる国で「違和感ゼロ」のUI・UXを実現する~(WEB/グラフィックデザイナー デザイン第2チームリーダー SD exportデザインディレクター)

ラクーンでは、「S資格者発表会(ラクーン社内のスペシャリストたちが自分自身の専門分野について発表する会)」を定期開催しています!

そこで今回は、「S資格者発表会レポート#2」と題して、成果発表当日の様子をお届けします!第2弾の発表者は、WEB/グラフィックデザイナー(デザイン第2チームリーダー SD exportデザインディレクター)のCHA.Sさんです!

韓国出身のデザイナーが日本の会社で働くようになるまで

CHAと申します。韓国・ソウル出身です。本日のテーマは『境界を超えるデザイン』です。デザインのS資格者がどういう仕事をしているのかを、自分が担当しているSD exportを基準にお話ししたいと思います。

私はWeb ・グラフィックデザイナー、デザイン部 第二チームのリーダー、SD export のデザインディレクターを担当しています。高校と大学は韓国で卒業しました。

美術高校時代
最初は『デッサンと水彩学科』だったのですが、途中でデザイン学科に変更しました。

美術大学時代
美大ではインタラクティブ・メディア・デザイン学科に所属していました。難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うとチームラボのような体験型作品をデザインする分野です。

ラクーンは6社目の会社になります。韓国で働いていたときは、カリグラフィー・フォントの制作からキャリアがスタートしました。本社がフランスにある会社に勤めていたときは、1年に何度も出張に行かなければならない環境でした。

そのときに出会った日本の社長にスカウトされ、日本で働くことになりました。その時点ですでに日本語を話せていたので軽い気持ちで日本に来たのですが、こんなに長く住むとは思っていませんでした(笑)

このように『空間デザイン』『ファッション』『グラフィック』など、さまざまなジャンルのデザインを経験し、オールジャンルなデザイナーとして経験を重ねてきました。

全世界に向けて商品を販売するSD export特有のデザインフロー

ラクーンの海外向けサービスである『SD export』について、簡単に説明させてください。SD export は現在、アジアを中心にさまざまなユーザーに利用されています。コアユーザーはアジアに集中しているため、ターゲティングもアジア各国のユーザーが中心です。一方で、最近はヨーロッパやアメリカなど、他の地域のユーザーもどんどん増えています。

SD exportの基本的な目標は、『ユーザーが日本語以外の言語でも違和感なくサービスを使えること』です。ユーザーが『違和感』を感じるポイントはいくつかあります。『間違った言語』『雰囲気やムードに合わないグラフィック』『日本と海外で異なる UI トレンド』などです。この『違和感』を解決するために、デザイン部では次のようなことを行っています。

ネイティブスピーカーによるチェック
社内にいる中国・英語圏などのネイティブスピーカーに必ず言語チェックをお願いしています。

各国ごとのフォントデザイン理解を高める
フォントデザインをコンセプトや国に合わせて選択するようにしています。

ローカライズされたページデザインを運用している
各国のユーザーがより便利に使えるようにページ設計とデザインを行っています。

こちらが、デザイン部の一般的な業務フローです。

ABチェックとは:リリースする製品やサービスの品質を確保するためのチェックプロセスです。「A」は部門長などの責任者によるチェックを指し、「B」は法務部門のチェックを指します。この2つのチェックを合わせて「ABチェック」と呼んでいます。

そのうえで、SD exportでは青く表示されている部分をいつも行っています。

チケット化される(事業部からデザイン部へ正式に依頼する)前の段階で企画の話を聞き、画面設計のためのプロトタイプをその場で作る、ということをしています。

コロナ禍では、画面共有をしながらその場で一緒にプロトタイプを作成していました。最近は直接ホワイトボードに書きながら認識合わせをし、内容の相談と企画の話を同時に進めるという進め方をしています。

それをベースに事業部がラフと原稿を作り、デザイン部がデザインをします。国内向けのサービスをデザインする際にはないフローですが、SD export には『言語チェック』という工程があります。これを事業部とデザイン部が同時に行うようにしています。

それ以降のフローは国内と同じですが、最後に『結果の確認』というステップがあります。各チームも PDCA を回していると思いますが、SD exportでも実施した結果を見て、『次はこの国ではこういうデザインにしてみましょう』『このコンセプトでやってみましょう』といった、反省会のような会議を行っています。

企画段階から関わることで売上が最大3600%になったイベントも

ここからは、今まで自分が担当してきた業務についてお話しします。

SD export ファーストビューの刷新とMD’S PICKの企画立ち上げ

ラクーンに入社して最初に大きく変えたのは、SD exportのファーストビューです。上のデザインが以前のデザインで、下のデザインが現在のデザインになっています。

国内と連動している部分もあったため、そこまで大幅に変えられたわけではありませんが、今のデザインのベースにもなっています。

自分としては、『SD export はここから少しずつ変えていけるんだ』という可能性を感じた依頼でもありました。入社して初めての仕事だったので、右も左も分からなかったのですが、ここがスタートでした。

そこから 『MD’S PICK』 という企画を立ち上げました。企画しても実際に運用されない、継続性がないと1回目で終わってしまいます。そうならないように、自分が1年以上この企画を担当しました。

初回は直前週の1週間の売上に対して約400%の売上、4ヶ月後には最大で3600%以上の売上を獲得といった結果が出て、『事業部と一緒に企画の段階から始める』というやり方の最初の成功パターンになった企画でした。

SD’s Day(Premium SD Week)やSD感謝祭などの大型イベント企画

2020年は、新しい企画が特に多かった年です。その中のひとつが 『SD’s Day』 という1dayイベントでした。7月の平均売上の約4倍を記録し、現在のSD exportにおけるビッグイベント 『Premium SD’s Week』 のベースになりました。

国際情勢や関税などによる変動はありますが、ビッグイベントとしていつも良い売上を獲得できています。次の大きなイベントとしては『SD感謝祭』があります。『Premium SD Week』も『SD感謝祭』も、約3ヶ月前から企画会議(コンセプトやデザインの方向性を決める会議)を実施しています。

その年のトレンドに合わせてデザインすることを大事にしていて、その理由はSD exportが EC サイトであり、流行のサイクルが早く、トレンドに敏感なユーザーが多いからです。

コロナ渦で実施した『日貨百貨プロジェクト』

次が 『日貨百貨』 です。これはコロナ禍のプロジェクトでした。台湾ユーザー向けに、物流と決済の利便性を高めることを目的に企画されたサイトです。1から企画したもので、『ユーザー理解』『UI』『グラフィック』までを、SD export と同時に運用していかなければならなかったので、かなり大変でした。

ただその分、ユーザー分析やターゲティングについての理解がより深まり、とても楽しい企画でもありました。現在はSD exportに吸収されており、台湾ユーザー向けには別のコンテンツでターゲティングする形になっています。

みんなの頭の中にあるものを「期待値を上回る形で表現する」

さまざまなデザインを担当してきた中で、自信を持って言えることがひとつあります。それは、『どんなデザインもコンセプトとターゲットが不明なものはなかった』ということです。

事業部、ユーザー、代理店、それぞれの声をきちんと聞いて、それを表現し、形にする。これはデザイナーだけができることだと感じていて、そこに強いプライドを持っています。皆さんの頭の中にあるものを、『期待値を上回る形で表現する』ことを自分の目標としています。

企画から展示会の現場まで、CHAさんが挑む新しいチャレンジ

ここからは自分自身の新しいチャレンジについてです。昨年から韓国の事業にスーパーデリバリーが力を入れるようになり、企画段階から参加することになりました。担当した内容は、『翻訳』『通訳』『提案書のデザイン』などです。

『デザイン以外の仕事』もありましたが、自分としてはそれも『デザインで表現するための一段階』だと考えています。とても新鮮で、楽しい経験でした。

こうした取り組みがトータルで見えてきたのが、今年の春に行った台湾展示会だったと思います。コンセプト決め、ホームページ、印刷物、広告、ノベルティなど、一連のデザインを担当しました。

実際に出張で展示会に参加し、事業部が現場でどういう仕事をしているのかを一緒に経験する中で、『デザイン部としてどんなサポートができるのか』をあらためて考えることができました。例えば、『タイトルをもう少し上に上げて見やすくする』『ディスプレイの位置を変えてユーザーが触りやすくする』といった細かい工夫は、実際に現場を見ないと分からない部分です。

台湾チームのチームワークがなければ実現できなかったと思いますし、皆さんの協力をいただいて、『これからこういうことをしていこう』という改善の土台を考えることができました。

「いいデザイン」は「人を思う気持ち」から生まれる

ここまで聞いてくださった方の中には、『結局、どんなデザインが“いいデザイン”なんだろう?』と考えている方も多いと思います。私は『人を思う気持ち』から、いいデザインが生まれると思っています。

例えば、『事業部の企画をもっといいデザインにしたい』『ユーザーがより便利な UI で利用できるようにしたい』という気持ちを持ってデザインをすることで、相手への理解が深まり、そこから「いいデザイン」が生まれてくると考えています。

その『理解』や『人を思う』ためには、人の話をよく聞き、それをきちんと自分の中に落とし込んでからデザインすることがとても大事だと思います。理解できた状態でつくるデザインと、理解がないままつくるデザインには、大きな差がある。私はそう感じています。

S資格者には「発信」も大事だと考える、CHAさんの取り組み

S資格者は『発信』も大事だと思っています。私は『ラクーン以外のデザインも紹介して、デザインに興味を持ってくれる人が一人でも増えたら嬉しい』という思いで、『タイポグラフィーインスピレーション』というSlackチャンネルを作って全社向けに発信しています。

また、『グッドデザインレビュー会』というデザイン部向けの勉強会も開催しています。自分が『いい』と思うデザインを共有し合い、実際の仕事の中でグッドデザインの要素をどのように取り入れられるかを一緒に考える会になっています。

最近、『デザイン部リリースチャンネル』というSlackチャンネルも新しくできました。デザイン部が『今どんな仕事をしているのか』を知ることができるものになっています。

境界を超えて、チームのみんなでいいデザインを作り続けたい

最後になりますが、2025年8月25日がSD export の10周年記念日でした。SDexport の『誕生日』です。私は5周年のときに入社したので、SDexportが誕生してから半分の期間、その成長を見ることができてとても嬉しく思っています。

事業部、開発部、デザイン部が一緒に良いチームワークで進めてきたからこそ、良い結果を出せたのだと思います。これからも、『境界を超えて、みんなでいいデザインを作る』ということを考えながら、作業していきたいと思います。もちろん、“いいデザイン”もたくさん作りたいです。

おわりに

過去の「S資格者発表会」記事はこちら
#1「大事にしたい日々の習慣~金脈を掘る仕事術~(グローバルMD)」

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