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【AI革命で進化するフィンテック】SBI大学院大学金融研究所主催セミナーに潜入②

こんにちは!

BtoB後払い決済サービス「Paid(ペイド)」の広報担当、山崎です。

 

先日、一橋大学大学院フィンテック研究フォーラムとSBI大学院大学金融研究所共催のカンファレンス「AI革命で進化するフィンテック」に参加してきました!

 

そこで前回に引き続き、今回もその内容と感想についてレポートします。

この第2回では、SBI大学院大学金融研究所所長・藤田勉さんの講演内容をもとに「電子決済とフィンテック革命」についてまとめていきます。

 

 

 

現金からデジタル決済へ

 

現金は製造・管理にコストがかかり、店頭では窃盗・紛失の可能性もあるため、世界各国で急速にデジタル決済が進みました。

特に中国でのデジタル決済の普及は、目覚ましいものがあります。

 

「無線充電パッドにiPhoneをかざして充電する様子無線充電パッドにiPhoneをかざして充電する様子」のフリー写真素材を拡大

 

デジタル決済が普及した背景にはいくつかの要因がありますが、特にEコマースの成長がけん引しているようです。

 

世界的なEコマース関連企業といえばAmazon(アマゾン)ですが、Amazonは小売業で稼いだ利益は再投資に回しています。

Amazonは小売業で稼ぐ気はなく、クラウドコンピューティング(AWS)で稼いでいるため、利益を度外視してお客様のことを考え抜いたサービスを追求することができます。こうしてAmazonは急速に市場を拡大してきました。

 

「ほしい物リストが届いた様子ほしい物リストが届いた様子」のフリー写真素材を拡大

 

また、中国のEコマースをけん引しているアリババの成長にも著しいものがあります。アリババは決済の領域でも「アリペイ」の普及を進めています。

 

こうしたEコマース企業の成長が、デジタル決済の急速な浸透を後押ししているのです。

 

「「支払いはキャッシュで」と偽札を手渡す「支払いはキャッシュで」と偽札を手渡す」のフリー写真素材を拡大

 

日本の現金通貨流通高は、主要国で最大です。

まだまだデジタル決済の普及が進んでいない日本ですが、カード決済率も低いため、一気に現金決済からデジタル決済へ移行する可能性を秘めています。

 

最も成長しているフィンテック企業は、VISA(ビザ)である

 

最も成長しているフィンテック企業は、どこでしょうか?

それは実は、「VISA(ビザ)」だそうです。

 

クレジットカード会社のイメージが強いVISAですが、VISAは1枚もクレジットカードを発行していません。VISAは、ITデジタルソリューション企業(クレジットカード決済システム事業者)なのです。

 

「クレジットカードを持つ手(グリーンバック)クレジットカードを持つ手(グリーンバック)」[モデル:MOA]のフリー写真素材を拡大

 

クレジットカードに関わる登場人物は、以下の通りです。

 

①加盟店

②加盟店管理事業者

➂カード発行会社

④カード決済システム事業者

➄利用者

 

私たちが通常イメージする一般的なクレジットカード会社の役割は、②③④ではないでしょうか。

 

しかし例えば「三井住友ビザカード」の場合、VISAが担っているのは④のみで三井住友銀行が②③を担っています。

そのためVISAは、カード発行費用、管理費用、信用リスクの負担、マーケティング費用が必要ありません。

 

一方、アメリカンエキスプレスやJCB等のクレジットカード会社は、私たちのイメージ通り②③④のすべての役割を担っています。

 

「お会計とクレジットカードの暗証番号お会計とクレジットカードの暗証番号」のフリー写真素材を拡大

 

このように、VISAはカード決済システム事業者としてB2B事業を拡大することで成長しています。カードに固執していないため、この先カード利用が一般的でなくなった場合(スマホ等に吸収される等)でも、生き残ることができるでしょう。

 

電子マネー大国、日本

 

他国と比較してクレジットカードの普及がなかなか進んでいない日本ですが、世界的に見て日本だけで浸透している決済手段があります。

 

それは、電子マネーです。

なんと電子マネーの普及が進んでいるのは日本くらいで、ほとんど海外では利用することができないそうです。

そして現金にしても電子マネーにしても、異なる国同士でのやり取りにはハードルがあります。

 

「地球儀とビットコイン地球儀とビットコイン」のフリー写真素材を拡大

 

しかし、このハードルを極めて低くしてしまう決済手段が存在しています。

世界的に流通させることが可能なもの、それが「仮想通貨」です。

 

ビットコインの長所と限界

 

仮想通貨の代表「ビットコイン」の長所には、どのようなものがあるでしょうか?

 

・国際決済における送金コストの削減できる

・低コストかつ比較的短時間で送金が可能である

・オンライン処理が簡単

 

「モニターに表示された「Bitcoin」モニターに表示された「Bitcoin」」のフリー写真素材を拡大

 

それでは、短所には何があるでしょうか?

 

・即時決済ができない

・価格変動があるため決済金額が即時に確定できない

・取引所の監視の不安

 

これらの長所と短所を加味して、ビットコインが「一般的に使われる通貨」になる可能性は低いと藤田所長は言います。

 

フィンテックの勝者は金融機関ではなく、IT企業に

 

このように、金融業界はテクノロジーによって日々変化と成長を続けています。

そんな中、IT企業が手掛けるフィンテック事業と金融機関が手掛ける事業は、比較対象として頻繁に取り上げられます。

 

藤田所長は、フィンテックの勝者は金融機関ではなくIT企業だと予想しています。

 

その背景にあるのは、新興企業の成長と大企業における優秀な人材の不足です。

まずITバブル崩壊以降、企業は上場せずに資金調達をすることが容易になりました。

 

「100万円(偽札)の札束が6段100万円(偽札)の札束が6段」のフリー写真素材を拡大

 

その背景には…

世界的な金余りによる、コーポレートベンチャーキャピタルの台頭があります。

 

こうした背景から、スタンフォード大学などの優秀な学生が起業するようになりました。すると、優秀な人材の人件費は高騰します。

 

こうして、優秀な人材がフィンテック企業を立ち上げるようになりました。従来の慣習に縛られない優秀な人材が、最先端の技術でフィンテックサービスをけん引しているのです。

 

「暗号通貨マイニング暗号通貨マイニング」のフリー写真素材を拡大

 

金融機関は変化しない限り、フィンテックの勝者はITサービス企業になるのではないでしょうか。

そして「ITサービス企業に転身できるかどうか」が、金融機関の生き残りの要になりそうです。

 

以上、潜入レポ第2弾でした!

第3弾もお楽しみに。