こんにちは!
BtoB後払い決済サービス「Paid(ペイド)」の広報担当、山崎です。
先日、一橋大学大学院フィンテック研究フォーラムとSBI大学院大学金融研究所共催のカンファレンス「AI革命で進化するフィンテック」に参加してきました!
とういうことで今回も、その内容と感想についてレポートします。
第3回では、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授・野間幹晴さんの講演内容をもとに「現代社会で企業が生き抜く方法」についてまとめていきます。
まずは、近年のビジネスにおけるトレンドをおさらいしましょう。
目次
近年のビジネスにおける ”トレンド”
ブロックチェーン技術によって、決済は限界費用ゼロの世界へ
経済学において限界費用(げんかいひよう、英: marginal cost)とは、生産量を小さく一単位だけ増加させたとき、総費用がどれだけ増加するかを考えたときの増加分を指す。
Wikipediaより引用
ブロックチェーン技術を活用すれば、決済にかかる費用を抑えることができます。
経済原理のシフトによって、希少資源から余剰資源の活用へ
車や家など、利用者がいない「余剰資源」を活用したサービスが台頭してきています。
消費者が生産者へ
企業が創ったものを消費者が購入するというサービスが、昨今は消費者が考えたものを企業が製品化するという逆の矢印で提供になることも珍しくありません。
UBERから見る事業構造の変化スピード
昨今のトレンドからも分かるようにビジネスの動きは目まぐるしく、持続的競争優位性を保つことが難しい現状にあります。
そのため、企業は連続した一時競争優位を維持していく必要が出てきています。
ここで、自動車配車サービス「Uber」を例に企業の事業構造の変化見ていきましょう。
Uber Black
一番最初にUberが始めたビジネスは、いわゆる黒塗り高級車に素敵な運転手さんが付く、セレブ志向の個別輸送サービス「Uber Black」でした。
Uber X
次にUberは、一般のドライバーが運転する自家用車と乗客をマッチングするサービス「Uber X」を開始しました。
Uber pool
さらにUberは、目的地が近い、もしくは方向が同じ人と「Uber X」を相乗りするサービス「Uber pool」をスタートさせています。
相乗りなので、通常の「Uber X」より安い値段で利用することが可能です。
Uber 自動運転
そして現在、Uberは自動運転による顧客輸送を模索しています。レーダー、カメラを始めとするセンサー機器を搭載した自動車による、実証実験も始めています。
このようにUberは、連続して事業構造を変化させてきました。
こうしてUberが連続した一時競争優位を維持し、プラットフォーマーとして成功できたのは、「お客様とドライバー、双方の満足度をどうやって高めるのか」という「どちらの側面」にも向き合って考え続けてきたことが要因だと考えられます。
例えば、一見すると顧客満足度の低下につながりかねない「雨天時や金曜の夜の料金割増し」を行うことで、Uberはドライバーと乗客の需給バランスを保っています。
こうしてUberは、必要なときにたくさんドライバーがいる状況を生み出しているのです。
経営陣と投資
Uberもそうですが、現在のITビジネスはデジタルネイティブ世代がけん引しています。
そのためデジタル領域外の企業はそのスピード感に付いていくために、経営陣から変わっていかなければなりません。
また、投資によるデジタル領域への展開も視野に入れる必要があります。
ここで、CVC投資について考えていきましょう。
CVC投資の目的は、ストラテジックかファイナンシャルのどちらかです。
CVCとは、Corporate Venture Capital(コーポレートべンチャーキャピタル)の略で、事業会社が社外のベンチャー企業等に投資すること、その投資活動を行う組織のことを指します。
投資する側もされる側もストラテジックな目的であればOKですが、ファイナンシャル目的での投資は企業価値を毀損する可能性もあります。
CVC投資のメリット
・事業環境の変化に素早く対応できる
・外部のベンチャーキャピタルを活用できる
・方針を容易に変更できる
そして知識共有のためには、双方納得する制度整備が必要です。
企業の優位性はどこから生まれるのか
そもそも、企業の優位性はどこから生まれてくるのでしょうか。
マイケル・ポーターの言葉に以下のようなものがあります。
「戦略の本質は、何をやらないかを決めることである。」(マイケル・ポーター)
例えば「スタートトゥデイ」のように特定の市場にフォーカスすれば、特定分野においてアマゾン等の圧倒的シェアを誇るサービスに勝つことも可能です。
IT企業ではありませんが、スーパーの「ヤオコー」は16号線沿いにしか店舗展開をしないことで、ROEとROAが非常に高い経営を維持しています。
また現在、企業は「ストーリーを描く」ことも求められています。
突然ですが、質問です。
なぜ神保町には、古本屋とカレー屋が多いのでしょうか?
実はこの一見すると全く別のお店、運営するオーナーさんが同じなのです。
「古本屋で本を買う→買った本をスプーン片手にカレーを食べながら読む」
という消費行動のストーリーを描いているというわけですね。
戦略が明確であることが重要
「現代社会で企業が生き抜く方法」をまとめると、一時的競争優位の構築しかできない現代社会においては、どのような戦略を達成するのか、ポジションの決定が鍵となります。
何をするのか、ではなく「何をしないのか」という戦略の明確化が必要です。
以上、AI革命で進化するフィンテック③「現代社会で企業が生き抜く方法」でした!
最終回もお楽しみに!