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ソウルからリモート出社!「越境リモートワーク」を試してみた結果…

「ラクーンの越境ワーカー達 withコロナ編」のサムネイル画像

コロナの脅威が拭えない状況のなか、ラクーングループでは出社か在宅かを選択できるハイブリッドな勤務形態を採用しています。今のところリモートワークにおける生産性の低下はみられておらず、在宅勤務時でも通常業務に大きな影響は及ぼしていないと認識しています。

これらを踏まえ、社内で前例のない新しい試みとして、外国籍スタッフが実家に帰ってリモートワークをする「越境リモートワーク」を行いました。(以前ご紹介した「【ウィズコロナ】雑談を生む社内デジタルコミュニケーション施策」が功を奏したのでは!?)実施したのは2020年の年末から2021年1月にかけての時期でしたが、その際の内容を記録しておきたいと思います。

越境リモートワークとは?

国境を越えて仕事を請け負う方を「越境リモートワーカー」と呼び、日経新聞の記事によるとコロナ禍で越境リモートが3割増えているデータもあるようです。

(参考)
2021年7月25日「「越境リモート労働」3割増 コロナ受け世界で拡大」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA02DRZ0S1A700C2000000/

政府は2度目の緊急事態宣言を発令した際、水際対策としてビジネスや留学に伴う外国人の入国を全面的に一時停止する考えを固めました。

ラクーングループでは第3波の到来も見越して働き方の検討を続けているなかで、2020年11月に外国籍スタッフのフィジカル・メンタルヘルスの両方を考慮し、一定の条件*を定めたうえで、帰国ならびに実家かそれに準ずる場所からのリモートワークに挑戦しました。

*一定の条件として①VPNに接続可能な環境であること②家族の受け入れ態勢があることを設ける

ラクーンの越境リモートワークの仕組みを説明する画像
(越境リモートワークイメージ図)

現在、ラクーングループには10名の外国籍のスタッフが在籍していますが、そんな彼らが今回の施策の主役です。そもそも生まれ育った環境から離れ、外国で働くことは簡単ではないと容易に想像できます。実は私も、以前外国でインターンシップを経験しており、いざというときの身寄りがないのが心細かったのを覚えています。

しかし、現状はさらに過酷です。新型コロナウイルスという見えない脅威が、わたしたちの生活を蝕んでいるなかで、異国の地で働くことの精神的な負担は想像を絶するほどのものではないでしょうか。

そんな彼らの不安を少しでも緩和する目的で、今回の越境リモートワークは実現しました。

本人たちに聞いてみた!

実際に越境リモートワークを行っている社員の方々にお話を聞いてみました。

 1人目:韓国出身のCさん

Q.簡単に自己紹介をお願いします。

入社2年目のCです!韓国出身で、現在はラクーンコマースデザイン戦略部でウェブデザインなどの業務を担当しています。

Q.まず、日本で就職された経緯を教えてください!

前職の社内カンファレンスで、私のデザインを見た日本企業の方にスカウトされたのが、日本で働くことになったきっかけです。日本の在住歴としては、今年で6年目になります。約2年前にご縁があってラクーングループに入社しました。

Q.現地はどんな状況でしたか?

当時のソウルの状況としては、コロナウイルスによる感染者数は日本の3分の1程度(越境リモート実施当時の状況)でした。入国する際に2週間の隔離期間に加えて、スマホのGPS機能を使った位置情報の提供を行う必要があるため、日本よりも厳しい管理体制があるといえます。

Q.リモートでどんな業務をされていましたか?

私は主に

  • 海外事業のグラフィック作成業務
  • 完成した制作物のクオリティチェック などの業務を担当しました。

Q.日本から離れていても、業務に支障はないですか?

はい、デザインの業務自体には全く影響はありません。というのも、システム管理チームの計らいで、技術部とデザイン部はそれぞれ独自のサーバーでVPNを持っているため、効果的に負荷が分散できています。そのため海外からのVPN接続でも遅延等が発生せず、快適に業務を行えています!

Q.リモートワークで特に工夫していることはありますか?

 業務をこなすうえでは、スクラムと呼ばれるチーム単位で、お互いの進捗度を毎朝確認するようにしています。やはり、リモートではひとりで集中できる環境がある一方、出社時と比べると他のチームメンバーの進み具合が不透明なので、スクラムを組んで進捗度の見える化を意識するようにしています。

このスクラム単位でのコミュニケーションはコロナ以前から行っていたことで、チーム内の状況がしっかりわかるところが優れていると思います。また、スクラムのおかげでリモートワークへの移行が非常にスムーズでした。

Q.ズバリ、帰国をして1番良かったことは!?

 約一年ぶりに家族に会えたことですね!実際、コロナで韓国に帰ることができない状況だったときは、すごく不安でした。今回の帰国では生まれたばかりの甥に初めて会えたので、うれしかったです。家族も隔離期間があったので、感染のリスクもなく安心だと言ってくれました。

Q.越境リモートでなにか困ったことはありますか?

基本的にはあまりないです。ただ、デザインの仕事は、印刷物などの実物ベースのものあるので、実際にプリントアウトして依頼者に直接見せられないといった不便さはありました。これも、日本にいるチームと連携を取ることができれば、ほとんど解消できる問題ではあるので、あまり問題視はしていません。

Q.最後に何か一言お願いします!

今回の越境リモートワークを通して、改めてラクーングループは社員のワークライフバランスや精神状態に気を配ってくれる会社だなと実感しました。日本のスタッフのみならず、海外のスタッフへの配慮を忘れずにしてくれる会社はなかなかないと思います。

ありがとうございました!

 2人目:台湾出身のSさん

Q.簡単に自己紹介をお願いします。

入社1年目のSです。よろしくお願いします。台湾出身で、現在はラクーンコマースでSDのカスタマーサポートを主に行っています!

Q.そもそも、どうして日本で就職されたのですか?

 幼いころから日本ドラマを見て育ったこともあり、漠然と日本で生活してみたいと思ったのがきっかけです。縁あって昨年よりラクーングループで働くことになりました。

Q.現地はどんな様子でしたか?

私は台湾の高雄出身なのですが、街の様子は比較的落ち着いていました。感染者の大半は海外からの帰国者といった印象ですが、外国人が入国する際にはGPSによる監視やPCR検査の提出が義務付けられているため、感染の拡大が抑えられていたのだと思います。(こちらも越境リモート実施時の状況です)

Q.リモートで行っている業務について教えてください!

主にスーパーデリバリーのお問い合わせ担当をしています。また、「日貨百貨」という台湾版スーパーデリバリーのソーシャルメディアの更新などの業務も行っています。業務内容は基本的に、インターネット環境さえあれば問題なくこなせるものだと思います。

Q.日本から離れていても、業務に支障はありませんか?

はい、私自身が困ることはほとんどありません!

(上司のKさん)

実は、彼女は2020年に入社しているので、入社時からずっとリモートワークなんですよ。そういう意味ではリモートネイティブなんでしょうね。特段問題はありませんよ!台湾との時差は1時間しかないので、連絡がとれないといったこともなかったですね。

Q.帰って1番良かったことはなんですか?

プライベートでは、家族や友達に会えたことですね。夢見ていた日本での生活でも、やはり少し寂しくなることはありますから、家族や友達に会うことで元気をチャージすることができたと思います。

仕事の面では、普段から台湾市場向けの仕事をしているので、実際に現地にいるとその場の空気感や雰囲気が伝わってくる気がします。以前、ソーシャルメディアで、ある企画をしたのですが、お客様のニーズを的確に反映できたのか、ものすごい反響がありました!

Q.越境リモートでなにか困ることはありますか?

 誤解を防ぐための努力はしています。やはりWeb会議だけだと意思疎通がうまくいかないときもあるので。

Q.最後に何か一言お願いします!

ラクーングループは試行錯誤しながら、11人の精神衛生状態を考えてくれる会社だと思います。現に、私が「帰国したい」という相談をKさんに持ちかけたのがきっかけで越境リモートワークが実現したので、とても感謝しています。

これからの働き方

 世界的なパンデミックの影響で意図せずDXを進めることとなった企業も多いなか、働き方にも大きな変化が起きています。

ウェブ会議ツールを用いた社内外のコミュニケーションをはじめ、インターネットさえあればどこからでも働ける環境が整いつつあります。もちろん、デジタルでカバーすることができない職種や業務が存在しているのは事実で、デジタル化に伴う弊害が少なからずあるのも否定できません。

しかし、急速に変化し続ける社会の状況に順応するためには、デジタルからの恩恵が必要不可欠です。これは、今後の雇用や働き方にも大きく影響するでしょう。必要な人材は世界中のどこからでも採用できるようになってきていますし、ラクーングループが取り入れた「越境リモートワーク」のように、スタッフが心身ともに健全な状態で働ける環境を整える一助になりうるのがデジタル化の魅力でもあります。

コロナからの悪影響を悲観視するだけでなく、これを好機と捉えて改善を行い続けることが、将来的な組織の成長に直結するのかもしれません。

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(社長室インターン 田島)