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企業間決済サービス「Paid」がセミナー登壇~インボイス制度への対応と請求業務の効率化について~

これからの「経理の働き方」がテーマ

ラクーンホールディングスのグループ会社ラクーンフィナンシャルでは、企業間決済サービス「Paid」を運営しています。2009年に日本で初めてBtoB専門の決済サービス「SDペイメント」を開始し、2011年に「Paid」へとリニューアル。現在では4,500社以上の企業に導入される、累計契約社数シェアNo.1*1の企業間決済サービスとなりました。

今回は株式会社ROBOT PAYMENTが開催した「第6回 日本の経理をもっと自由にカンファレンス2022」*2に「Paid」が登壇した様子をお届けします。

第6回目となる今回のカンファレンスのテーマは、「経営者と経理が協力して実現する『インボイス制度』対応&経理DX」。2023年10月に開始が予定されているインボイス制度を前に、これからの「経理の働き方」について各社パネルディスカッションや個別セミナーを行いました。当社からは「Paid」推進部長が登壇し、企業間決済やインボイス制度における業務負担などについて語りました。

*1日本マーケティングリサーチ機構「企業間後払い決済サービスにおける実態調査(2021年9月実施)」
*2「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトが運営するオンラインカンファレンス。ラクーンフィナンシャルとして賛同しているこのプロジェクトは、「経理の働き方を変えていきたい」という想いから2020年7月2日に発足され、現在では120社以上の企業が賛同しています。

経営の鍵を握る「企業間決済」(パネルディスカッション)

パネルディスカッションでは、川本 圭祐氏(株式会社ROBOT PAYMENT)、岡本 創氏(マネーフォワードケッサイ株式会社)、及川 哲哉氏(当社)の3社が参加。インボイス制度の開始を前にした、現在の企業の対応状況や課題について議論が交わされました。川本氏からは、社会的背景によって掛け払いサービスの導入が広まっていること、これからは業務のデジタル化が進んでいないと法対応などの難易度が高くなってしまうのではないかというお話でした。また岡本氏は、普段セミナーなどでお客様と接するなかで、3分の1程のお客様はもうすでにその対応を決め、終わっているお客様もいる一方、残り3分の2は現在情報収集中で「まだ間に合うんじゃないか」といった温度感のようです。よく分からない部分が多いために後回しにされているケースも多い、とのことでした。

各社共通していたのは、インボイス制度の対応は難しい部分が多いこと、制度開始まで、時間的問題もあるので早めの情報収集や相談、対応への着手が必要であること、そして今後もデジタル化の必要性が出てくるので今回の対応を機に社内で業務の見直しを図ることが重要、ということでした。

以下、「Paid」のパート部分を一部ピックアップしてレポートします。

インボイス制度に関するお問い合わせが増加

「普段のお問い合わせは、請求書の発行部分や回収に関する業務の効率化や、与信に関するご相談が中心ですが、最近ではインボイス制度の開始まで1年を切ったこともあり、インボイスに関するお問い合わせが増えてきています。徐々に法制度に関する理解や認識が広がってきたのか、具体的な質問をしていただくことが増えて、情報収集を急いでいる印象を持っています。ただ、それでもまだインボイス制度に関する理解度にはばらつきがある印象もあります。」

インボイス制度・電帳法対応を考えている方が掛け払いサービスを利用するメリットとは?

「自社開発で検討されていらっしゃる企業であれば、時間の問題があるので、スケジュール的に間に合うのかどうかが最も確認しなきゃいけないところだと思います。インボイスの発行単位を、請求書単位にするのか、納品書単位にするのか、それを組み合わせるのかなどを決める必要があります。

また、受注を受けた時と出荷の時で、消費税のずれが発生します。それを会計的にどう処理するかも検討しておく必要があります。インボイスの話と電帳法の話は別だと思いますが、その両方を踏まえて設計していかなければならないのが、仕様を決める難易度を上げていると思います。

そうした複雑な部分を考えることができないのであれば、外部のサービス利用してもらうのが1番楽だと思います。開発のコストが抑えられて、時間の部分でも余裕を持って制度対応を進められるのではないかと思います。」

これから「企業間決済」で起こる変化

「既に発表されていますが、2026年に約束手形が廃止されることになっています。ただ、廃止されるのは紙のー部分だけで電子の形では残ります。そういった内容を見ていても、古い商習慣は淘汰されていき、電子化の方に舵が切られていくと思います。また、EC化率も上がり続けています。これから先も決済とその周辺の業務の連携をシームレスに進めていく流れのなかで、デジタルで対応していかなければならなくなってきます。これから先も、法律の改正や規制の緩和は進んでいき、決済回りの変化は今まで以上にスピードが上がっていくと思います。早めに対応しないと乗り遅れてしまう結果になるので、感度を高めておき、しっかり情報収集を進めていくことが大事ですね。」

『インボイス制度対応と経理DXを同時に実現!BtoB決済代行サービス「Paid(「ペイド」)」とは』(個別セミナー)

個別セミナーでは、実際に「Paid」を導入することでインボイス制度対応のための業務負担をどのように解決できるのか、について解説がされました。

「サービス内容を一言でお伝えすると、請求業務と未回収リスクをゼロにする企業間の掛け売り決済サービスです。具体的に提供している機能は、 与信の審査、請求書の作成と発行、入金管理といった請求業務全般の代行に加えて、万が一入金がなかった場合の保証サービスも提供しています。取引先に対する督促に関しても、「Paid」で代行しているので、請求業務をまるごと手放すことができて、コア業務に集中できるサービス内容になっています。

2023年10月施行のインボイス制度にも、もちろん対応予定なので、ご利用いただくことで適格請求書の発行と保存ができるようになります。

利用企業の業種や規模は様々で、対面でのお取引はもちろん、ECサイトでの決済方法として請求書払いを組み込むこともできるので、 多くのBtoBサイトでの決済にご利用いただいている状況です。」

企業の課題と掛け売りサービスのニーズの高まり

「最近では、新型コロナウイルスの影響から倒産リスクが高まるのではないか、と懸念を持つ企業が増えていて、 与信に関するご相談をいただくことも増えています。また、対面での商談や展示会が減り、リモートワークといった新しい働き方も進む中で、 皆さんどうやってその既存の業務をデジタル化していけばよいかと悩みを抱えています。そういった背景から、最近はバックオフィスの業務フローを見直す企業が増えている印象を持っています。

加えて、未払いのリスクが発生した場合、回収業務も負担になっていると思います。アメックスの調査によると、4.6%の取引で支払い遅延が発生しており、遅延発生後、約2割は回収ができていません。回収ができた場合も営業担当や経理担当が支払いの交渉をしているケースが多いため、負担が大きくコア業務の生産性を押し下げている現状があります。

帝国データバンクが発表している半期ごとの倒産件数の推移によると、2020年のコロナウイルス以降に懸念されていた倒産の増加については、今のところ政府の下支えもあって、件数自体は低水準で推移してきています。ところが、今年22年の上半期、昨年からの減少幅が大幅に縮小しています。 倒産の内訳を見ても、コロナ融資を受けた企業の倒産件数が急増しているという発表がありました。今後、本格的に返済が始まっていく中で、警戒が必要な状況だと思っています。

一方で掛け売りは、買い手側のニーズが高いので、対応することによって売上の向上が見込めると思います。当社の(グループ会社が運営する仕入れサイト)スーパーデリバリーでのアンケート結果では、「希望する決済がなかった場合に、その取引をどうしますか?」という設問に対して、5割を超す人が「取引を見送る」と答えています。また、スーパーデリバリー内での決済方法ごとにみると、「掛け売りを選択した店舗」はその他の支払い方法に比べて客単価が高いという結果が出ています。掛け売りを提供していくことで、売上の向上につながることが見て取れますが、売り手としてはやはり与信の問題にどう対応していくかが大事なポイントだと思います。」

インボイス制度への対応について

「インボイス制度については、まず適格請求書が発行できるという点はもちろん、消費税の自動計算も「Paid」が行っていきます。その際の端数処理の計算方法についても、切り上げ、切り下げ、四捨五入からご選択いただくことができます。税込み金額と税抜き金額、どちらもそのまま入力できます。税抜き金額しかない場合でも、税抜き金額を入れれば、端数処理に応じて税が自動的に計算される設計になっています。 取引情報を入力すると適格請求書が電子で発行されて、その控えも電帳法の要件を満たした形で保存がされます。受領側に関しても同様です。」

請求業務の効率化は、経理だけの問題ではなく、営業や経営の課題でもある

「最後に、法令対応と経理DXについてポイントをまとめてみました。

1つ目は、業務をデジタル化することで、競争力を高める必要性があるということです。新型コロナウイルスをきっかけとして、働き方も変わり、法改正など、事業環境が大きく変化しています。 もはや業務の自動化業務のデジタル化は「待ったなし」の状況だと思います。ご紹介してきたように、請求業務の効率化は、経理だけの問題ではなくて、営業や経営の課題でもあります。 それぞれがコア業務の生産性を高めていき、企業としてどのように競争力を高めていくか、という視点が大事だと考えています。

2つ目ですが、与信の課題をクリアして、新規開拓できる体制をしっかりと構築する必要があるという点です。新規取引に向けても、請求書払いを決済のラインナップに加える必要性があるとお伝えしてきました。 業績を伸ばしている会社は、新規開拓にも積極的ですが、そのために必要な体制を自社開発で対応するとコストが高くなってしまうことが懸念されますので、外部サービスの利用で、対応コストが下がらないか検討してみることもおすすめしています。」

新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとして、インボイス制度や電帳法への対応、倒産リスクへの懸念などの要因が重なり、従来の業務フローを見直す企業が増加しました。「Paid」は、請求業務や新規開拓、法令対応など、さまざまな局面における課題をまるごとサポートするサービスです。インボイス制度の対応と経理DXを同時に実現できるので、課題をお持ちの方はぜひお問い合わせください。

■「Paid」サービスサイト https://paid.jp/
■インボイス制度対応について https://paid.jp/v/contents/pre/invoice.jsp