社長にインタビューする【STORY – 社長の人生を聴く-】という企画でラクーングループについての紹介動画を撮っていただきました。インタビュアーは「会社のリアルを知ろう。リクライブ」編集長の二宮氏。今回はその【後編】です。(前編はこちら)倒産の危機を乗り越え、日本の流通の課題に着目したサービス「スーパーデリバリー」、そして企業間の取引では欠かせない決済の課題を解決する、フィンテック領域でのサービス展開について語りました。
【STORY – 社長の人生を聴く-】
社長ってどんな人?
どんなことを考えているのか、これまでの人生を振り返りながらこれからやっていきたいことまで聞いていく。社員も聞いたことがない裏話も?
digest ver.
※ダイジェストバージョンでは、動画の要約部分をご覧いただけます。(10分程)
目次
「スーパーデリバリー」苦節の2年
過剰在庫で困っている経営者たちの相談に乗り、日本の流通の問題点を洗い出して勉強してできた「オンライン激安問屋」。その後もサービスのニーズは高く、在庫品以外の商品も仕入れたいという要望に応える形で第2ステージである現在の卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」が誕生しましたが・・・
構想もアイデアも素晴らしいものができた、と思ったのもつかの間、最初は全然売れませんでした。マーケットプレイスというのは、商品がたくさん掲載されていないと購入する人も集まってきません。初めてきちんとした売り上げが立つまでに2年程かかったと思います。
メーカーとしては在庫品を表立って出したがらないし、当時はまだネットで売るということが当たり前ではない時代だったために「ネット販売禁止」の会社もあったりして、ハードルが高かったんですね。
そこで私は「在庫品を廃棄するのではなく、有効活用する、改めて流通網に乗せる」ということは社会的に正しい、1社や2社だけでなく、みんなのためになる、メーカーにとって非常にメリットが大きいんだ、と1人1人説得して歩きました。激安問屋をやっていたおかげで、色んな方面の会社から信頼を得ていたこともあり、「会社として応援します」と、商品を載せてくれる会社が増えてきました。そのおかげで「スーパーデリバリー」は立ち上がることができました。
これまでにないサービスだからか、いろんな人が取材に来て「いわゆる何に似ているサービスですか?」とよく聞かれるのですが「ネット上の問屋さんのようなビジネスです。」と答えるとしっくり来るようです。
“問屋“って何だろう?近江商人のビジネスから着想を得たフィンテック領域
「ネット上の問屋さんのようなビジネス」と答えたものの、改めて「問屋って何だろう?」とふと疑問を持ちました。英語で辞書を引いてみても、問屋は英語にはないらしい。
調べていくと、800年前の近江商人が商品を持って行って売る、その時にいきなり支払うお金はないでしょうから、1か月後に取りに来ますよと。その後これもう一回売ってみてください、いやいいねと、そしたら次は10個もらうよ、といったようなことをしていたそうです。
実はこれ「新商品の情報」を伝えることはもちろん、運ぶ「物流」と掛け売り「決済」もやっています。この近江商人のビジネスを、デジタルで再現したら面白いぞと思い立ちました。
そこで100社程ランダムに後払いの請求書を同封して出荷してみました。インポーターをやっていた経験から、誰も払わないかな、と思っていましたが本当に誰も払わない(笑)もともと理系だったこともあり、これを科学しようと、コツコツと開発していったのが企業間決済サービス「Paid」です。決済というのは買い物をして初めて必要になるということもあって、eコマースとフィンテックは非常に相性が良いです。うちはeコマースがあるおかげで、フィンテックサービスを立ち上げるのにも比較的有利でした。
当時私たちは会社を審査して与信枠を設定する、というノウハウを持っていませんでしたが、子会社のリース会社がそのノウハウを持っており、一緒にやることになりました。彼らは当時から取引先が倒産したら保証する、という事業をやっていて、それが現在の「URIHO」というサービスです。
組織づくりについて~まるで昨日起業した人のように~
どうしたらチームワークが最大限になるんだろうということは、会社の設立時、一番大きな関心事でした。信頼関係を真ん中に置いて、強いチームを作ることが大事です。自分がすごいか、優秀かどうかを競うのではなく、チームでしかできないことがあるのではないかと思います。逆に言うと、1人でやれることはたかが知れていると。知恵を絞ってみんなでアイデアを出して、それを試してみる。では、そうしたアイデアってどういう場所で出るんでしょう。互いに責め合うような緊張した会議で生まれるでしょうか。リラックスして、互いの意見に耳を傾けて、楽しく会議するような、そういった会社にしていかないと伸びていかないのではないかと思います。
まるで昨日起業した人のように、いつでも素直にシンプルに、明るく淡々と事業をやる人でなければ成長は止まってしまいます。
日本のいいものを世界中に
今後、日本の人口が減っていって、企業はどうしていくべきかとなった時、世界の人口は爆発状態なので、世界に売ることになります。大企業が海外に行くことはできるかもしれません。しかし中小企業にとってはコストや負担が非常に大きいと思います。メーカーがサンプルを持って展示会に出て、何度もメールでやり取りをして交渉をして、ようやく輸入となっても銀行での手続きや通関手続きなどは複雑で、専門用語もたくさん出てきます。ここで私たちの出番です。「スーパーデリバリー」の越境EC版「SD export」では、世界100か国以上に売る機能を持っています。これをやっている日本で初めての会社であり、私の認識では今でも唯一の会社です。
▲「SD export」サイト画像
中小企業の取引を活性化させるにあたって私たちのサービスは秘密兵器のようなものです。時代が変わればニーズが変わってきます。市場の変化を観察して、サービスを開発していく、その先にはやりがいがあって楽しい仕事が待っていると思います。
インタビュー動画はこちら
フルバージョンでは、より詳細な内容をご覧いただけます。
full ver.
Spotifyの音声版もあります。
【全編内容】
・「スーパーデリバリー」苦節の2年
・「Paid」立ち上げ
・新規事業の軸になった「問屋」の考え方
・怒らないマネジメントと組織づくり
・グローバルに目を向ける